AICALプロジェクトとは
AICALプロジェクト(AICALとは、Acidification Impact on CALcifiers(石灰化生物への酸性化影響)の略)とは、環境省、地球環境研究総合推進費課題、「海洋酸性化が石灰化生物に与える影響に関する影響の実験的研究」(平成20年度-平成22年度)を指し、国立環境研究所の野尻幸宏氏(国立環境研究所地球環境研究センター副センター長)を代表として行われております。
海洋酸性化とは、人為的活動の影響などで大気中CO2濃度が増加することで、CO2そのものが酸として働き、海洋のpHが減少する現象のことです。産業革命以降、海域によっては、既に-0.1程度のpH低下が生じたとされており、現在も進行中の環境問題です。海洋酸性化が進むと、石灰化生物における成長が抑制されるなどの影響が懸念されており、近年では、石灰化以外の生物現象への悪影響も指摘されつつあります。

海洋酸性化の仕組み
現在海洋酸性化研究が世界中で盛んに行われており、欧州ではEPOCAが中心となって取り組んでいます。日本では、私達のAICALプロジェクトがその一つとなっております。AICALプロジェクトでは、海洋酸性化の海洋生物への影響評価を、精密pCO2制御装置(AICAL装置)を用いて調べており、温帯から亜熱帯まで、幅広い分類群を対象に研究を進めております。 AICALプロジェクトには、現在国立環境研究所、産業技術総合研究所、東北区水産研究所、中央水産研究所、京都大学、琉球大学の研究者らが参加し、AICAL装置を用いて、酸性化海水が海洋生物に与える影響について包括的に調べております。

AICALプロジェクトに関わっている大学や研究所
琉球大学瀬底実験所では、酒井研究室(サンゴ礁生態学)を中心として、「CO2増加が造礁サンゴの生活史に及ぼす影響に関する研究」をサブテーマとして研究を進めております。現在は、東京大学、琉球大学、産業技術総合研究所などの研究者や学生らと連携して、造礁サンゴを中心に、有孔虫や石灰化藻類など、様々なサンゴ礁生物を対象に実験を進行中です。
研究分担者
小池勲夫
- 琉球大学・監事
- 専門:海洋生物地球化学・微生物生態学
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酒井一彦
- 琉球大学熱帯生物圏研究センター・教授
- 専門:サンゴ礁生態学・保全生物学
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鈴木淳
- 産業技術総合研究所・地質情報研究部門・物質循環研究グループ・主任研究員
- 専門:サンゴ骨格気候学・古海洋学
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AICAL装置の紹介
AICALプロジェクトでは、精密pCO2制御装置、AICAL装置を中心として、酸性化海水が海洋生物に与える影響についての実験的研究を進めております。
これまで、CO2を海水に溶かし込んで、二酸化炭素分圧(pCO2)を上げた海水を用いた実験が行われておりますが、pCO2の制御は一般的に難しく、変動幅の大きいpCO2を実験に用いていることが、実験の精度に悪影響を与える可能性があるとして懸念されてきました。
AICAL装置は、これまで大きかったpCO2の変動幅を低く抑えられる画期的なシステムを有しており、また、日周変動の再現も可能となっております。現在、東北区水産研究所、中央水産研究所、京都大学瀬戸臨海実験所、琉球大学瀬底実験所に設置されています。
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